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この映画が見たい、クライヴ・バーカー原作もの

さて、通勤帰り電車の中で、ブラッドベリの『何かが道をやってくる』を楽しく読み終えた。これで思い出したのが、クライヴ・バーカー原作、脚本、監督の映画『ヘルレイザー』である。
クライヴ・バーカーと言えば、集英社文庫から「血の本」シリーズと銘打って刊行された第一弾「ミッドナイト・ミートトレイン」の初版を買って読んだのだった。当時は、今ほどスティーブン・キングもメジャーではなく、スプラッター映画が流行し始めていて、この本はスプラッター小説と宣伝されて売り出されたのだった。一気に読み通せる読みやすさと面白さをもった短編小説集だったが、キングの「NIGHT SHIFT」(当時、翻訳書は未出版)に比べると文章がスカスカで読み応えに欠ける印象だった。で、それ以降のシリーズは買わず、作家の名前だけが記憶に残った。
木曜洋画劇場で次週放送『ヘルレイザー』の予告を見て、この作家の名前が監督として出たとき、驚き、これは見なくてはいけないと大いに期待した。で、以前読んだ小説とはまた違う、そのぶっ飛んだ内容にビックリした。初監督作とは思えない見事な出来だと感心した。その後、CSでもこの映画は見ているし、ビデオ録画もしてある。(続編も木曜洋画劇場で放送されたのを見ているが、これは再見してない)
当時、この映画は、スプラッターものと見なされていたようで、自分もそこに何の疑問も抱いていなかったのだが、ブラッドベリの小説を読んでから、むしろ、『へルレイザー』はダーク・ファンタジーと言ったほうがぴったりすると思った。地獄に落ちた男が、生きた人間を襲い、犠牲にして、失われた肉体を再生していく様は、ぬらぬらした皮のない身体の描写が気味悪いが、お話は、魔界への扉を開くパズルボックス、苦痛と快楽の支配する魔界、その番人である魔導師といった独自の世界観の展開が本筋である。意識的にそういう視点で見直すと、この映画はかなり楽しめるのではないだろうか。
映像にすると、どうしてもイメージが固定してしまうものだが、キングがあくまで小説家であり、文学にこだわり、そういう危険を冒さないのに反して、クライヴ・バーカーはその点こだわりがないのか、映画監督業にも精出しており、『へルレイザー』以後、すでに何本も監督作が出ている。これからぼちぼち見てみたいと思う。

[課題]
ファンタジーとホラーの切り分けはいかに? 切り分ける意味は?
ジョージ・ロメロのゾンビものはホラーかファンタジーか?

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