« DVD「ライブ帝国 ジューシィ・フルーツ」 | トップページ | どーでもいーですよ、根本はるみ »

危険なモノ

新聞の投書ページには、よく理解できない内容が掲載されていて、なぜこれが選出されたのだろうと疑問に思うことがあるが、今回の「ようわからん」は、携帯電話は危険(中日新聞1/17朝刊)、というものである。
いわく、携帯電話は色々な機能が付いて便利なものだが、犯罪に使われるなど危険なものであるので、それに注意して使うべきである、というのだが、「危険なもの」というのがさっぱり理解できない。あるものが危険であると言うとき、私が思うのは、それを不適切に扱ったり、関わったりすると、自分あるいは他人に怪我を負わせたり、生命を脅かしたりするということである(*)。例えば、包丁は危険なものであるし、火は危険なので、焚き火をするには十分注意する必要があるし、車は走る凶器となりえるから町中は十分速度を落として走るし、飲んだら乗らない、そういう危険は理解できる。

しかし、携帯電話を使っているからといって、危険な目に合うとか、他人に危害を及ぼすというのは考えにくい、強いて挙げるならば、携帯電話の電波が心臓ペースメーカーの動作を乱すということはありえるが、それはよほど特殊な状況においてのことであって、一般に危険とは言えないと思える。携帯電話が犯罪に使われることがあるというのは、例えば、プリペイドの携帯電話を使って「おれおれ詐欺」あるいは「振込め詐欺」が行われることがある、とか、誘拐犯が被害者の携帯電話を使って親族に脅迫をするとか、私の思いつくのはそれぐらいだが、だから危険だというのはわからない。老人を狙った振込み詐欺に使われるから郵便や封筒が危険とは言わないだろう。

理解できるとするならば、例えば、ダイエットに励んでいる女性にとってケーキは「危険なもの」かもしれない、そのように、携帯電話が投稿者の個人的事情において危険性を持ちえるのかもしれないが、だからといって、それを一般化しようとするのはどうかと思うわけ。

*) なお、「ネットオークションは騙される恐れがあるから危険だ」とは言わない。詐欺行為で経済的な被害を被ることと、身体的な損害を受けることは別種のことで、「騙されるかもしれないから危険だ」という言い方は喩えに過ぎない。これは単に「騙されるかもしれない」と言うのと変わらず、この場合の「危険だ」はいわば「私的言語」(ヴィトゲンシュタイン)ということになるのだろう。

|

« DVD「ライブ帝国 ジューシィ・フルーツ」 | トップページ | どーでもいーですよ、根本はるみ »