暴力と権力
長崎市長銃殺事件の詳細について私は寡聞にして知らないが、この報道で気になったのは、一部関係者の、このような暴力は民主主義への挑戦であり絶対許されてはならないものだ、云々といった論調である。これを聞いたとき、そういうことは、四日市のジャスコで刑事に押さえつけられたお爺さんが亡くなったときこそ、声を大にして訴えてほしかったと思う。
政治家が暴力反対を訴えるとき、権力賛成を訴えているかのように聞こえる。つまり、権力は暴力に勝るべきだ、そうでないと都合が悪い、と言っているように聞こえる。暴力はわかりやすい。簡単に糾弾できる。しかし権力を使った横暴はわかりにくい。見えにくい。権力が暴力に勝っている限り、私たちは安泰だ、と聞こえてしまう。
暴力は許されざるべきものかを突き詰めていくと、戦争問題にまで行き着いてしまうし、正義について考えることは少ない私であるが、最後の最後にドス一丁を抱えた健さんが一人敵地に乗り込むことがなければカタルシスは得られないのは間違いない、そう思う。

