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共犯者募集します!

いわゆる闇サイト殺人事件(愛知女性拉致殺人事件)について、例によって、ネットに規制をかけるべきだとか、匿名は許されるべきではないといった意見が聞こえてきているが、大いに違和感を感じてしまう。ネット犯罪と言うと、例えば、オークション詐欺などは明らかにネットを利用した犯罪であるけれども、この事件でインターネットが利用されたのは、事件の首謀者が共犯者を募集するのに携帯サイトの掲示板を利用したと言うことであって、それは事件のきっかけになっているかもしれないが、犯罪そのものはインターネットを利用したものではないのである。
夜道を一人で歩いていた女性を自動車に無理矢理押し込んで連れ去ったというのであれば、こんなことは、ひったくりによく利用される原付スクーターでは無理なわけで、であるから自動車は良くないとか、車は密室状態にならないよう屋根を付けてはならないとか、若い女性が夜道を一人歩きしてはならないから門限を市条例にするとか、日が落ちる何時間前には仕事をきりあげなければなせないとか、そういった規制の必要を訴える意見はこれっぽちも聞かれない。もちろん、こんな意見は、自動車がなければ、後ろから追突されて橋から転落し、子供を亡くすといった悲惨な交通事故は起きるはずもない、というのに等しく幼稚でしかないわけで、とりわけインターネットが悪者にされるのは、単にそれが「新参者」であり、人によっては馴染みが薄いという理由に過ぎないと思える。
衝撃的なのは、この犯罪は強盗が目的なのではなく、女性を誘拐して脅かすというゲームを楽しむために計画されたと思える点である。そしてエスカレートしたゲームのクライマックスは殺人となった...

犯罪者を結び付けた「闇の掲示板」についてよくよく考えてみるに、掲示板の仕組みや投稿内容を諸悪の根源とするのは無理があり、実は、そこには問題のすり替えがあることがわかる。
そもそもインターネットの掲示板というものは、インターネット利用者であれば誰でもアクセス可能であって(もちろん、会員限定のものもあるが、一般的に、会員といっても特別な資格を必要とするわけではない)、そこにどんなことが書かれているか調べようと思えばいくらでも調べられるのである。また、匿名だといっても、アクセス記録を調べればアカウントから誰の利用か突き止めることは大抵できるはず(もちろん、このような追求を免れるために、他人のアカウントを不正に利用する「なりすまし」や、インターネットカフェのような不特定多数が利用する接続環境を利用するといった手もないわけではないが)である。現行の法律でも警察が接続業者のもっているアクセス記録を証拠として押収することは可能である。通信の秘匿性といっても、それは電話の盗聴やメールの盗み見は違法だということであって、自由に読み書きされているインターネット掲示板の書き込み内容にそもそも秘匿性があるわけがない。
つまり、やろうと思えば、インターネットに溢れているそういった怪しげな書き込みを徹底的に検索して、犯罪に繋がる恐れがあると思われる内容があれば、書き込み元を調べたり、場合によっては、興味をもった素人を装い、返答を出して、書き込み主と接触するといった捜査もできるはずである。
しかし、サイバー犯罪対策といっても、まだまだ進んでいないのが現実なのだろう。恐らく、お堅い警察組織では、PCやネット利用も素人並みで、PCを持たせればWinnyでのファイル交換に精を出して、内部情報を流出させるのが関の山というわけだ。しかし、接続環境さえあれば、どこからでも世界中の情報を入手できるのがインターネットの良い点なのだから、警察官も全員がメールアドレスを持ち、インターネットを利用するぐらいの気概があれば、田舎で事件もなく毎日退屈しきっている警官でも、現場に居合わせることなく、いくらでもサイバー犯罪撲滅の役に立てるはずだ。
大きくなって、小回りの聞かなくなった組織は、事なかれ主義で、何か起こらなければ動こうとしない。ネット上でおおっぴらに犯罪が計画されていても、何もできない警察は、ストーカーへの不安を訴えても取り合わず、何かが起こらなければ動けないといって、事件の発生を許してしまった警察と同じ警察なのである。

犯罪の共犯者を募集するのに、駅の掲示板にそれを書いたり、新聞に広告を出すといった人目につく方法を取るのは愚かであり得ない話であって、インターネットの掲示板でも同じようにそれが人目に付くことが一般的になれば、このような利用はほとんどなくなるだろう。そういった書き込みを見つけたら簡単に通報できるような仕組みを整備するとか、ランダムに怪しげな内容を検索して評価するシステムとか、逆に、よく利用される検索エンジンで、キーワードに関連した広告を出す代わりに、怪しげな書き込みを同時に検索させて、多くの善意の人々の力を借る(「ドラゴンボールZ」の元気玉みたいだな!)とか、悪を締め出すための工夫は色々とあるのではないか。
便利なものは犯罪者にとっても便利なのだ。だからと言ってその便利さを捨てることはない。その便利さをさらに上手に活用して、犯罪の芽を摘み取ることこそ課題としなければならない!

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