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ハイブリッド車の「車両接近通報装置」の愚

最近のニュースで、運転初心者の車が、コンビニエンスストアの正面に駐車しようとして、アクセルを踏み込みすぎ、車止めを乗り越えて、店に突っ込んでしまったという事故が報じられていた。もし、事故を起こした運転者が、愛車にスバル・レガシーを選んでいて、その自動ブレーキ装置「アイサイト」を有効にしていれば、この事故は防げたのだろうか、と考えてしまった。
この事故から得られる教訓は、CCDカメラを使った自動運転制御機能は大変有用な技術である、ということではない。自動車は運転者次第だということだ。
「アイサイト」の技術開発にどれほど費用を投じたにせよ、そんなものはたいしたものではない、どれだけ費用を投じようとも人間が進歩しないことに比べれば。
逆に言えば、だからこそ、人は科学技術に心奪われる。それは人間に比べれば格段に素直で扱いやすいからだ。
(「技術立国日本」「科学立国日本」なんて、その程度のものだ。こういうのを礼賛する馬鹿には腹が立つ!)
そんなものより、もっと、車を運転する人たちの技術やマナーが向上することのほうがどれほど望ましいことか。
自動車メーカーが、技術開発に明け暮れ、利潤を追求し、国政に影響を及ぼす醜い姿には胸がむかつく思いがする。
自動車メーカーは、運転者の進歩にこそ、開発費用を投じるべきだと思う。

さて、本日(2010/09/03)の中日新聞朝刊に、トヨタのハイブリッド車プリウスの「車両接近通報装置」の効果について、町で実験した報告記事が出ていたのが目を引いた。仰々しい名前だが、要は、低速走行時、モーター駆動の際は、静かすぎて、視覚障害者が車両の接近に気づきにくいため、擬似モーター音をわざわざ発生させるというものである。
そして、視覚障害者に協力を仰いだ、その効果のほどの検証結果は予想通りのものだった。
すなわち、従来のエンジン音とは異なるのでわかりにくい。
そして、記者の結論は、いわく、この装置がもっと普及すればこの問題は解決するだろう...
(この真面目ぶった提灯記事のアホらしさに心底あきれた。そんなのやる前からわかりそうなものだ。なんだって、そんなにプリウスを売りたいのかね、アンタ?)

町中でのモーター走行の騒音低減はHV車の大きな長所である。
それをあっさり捨て、馬鹿役人の決め事に従って実現してしまう、車屋の節操なさには呆れてものが言えない。
HVじゃなくて、今後EV主流になったらどうするのか?
また、責任逃れで、馬鹿役人に責任を押し付け、言いなりに馬鹿げた装置を開発してお茶を濁すのか?

個人的には、この問題は、根本的に運転者のマナーの問題だと考えている。だが、それを言っちゃあお仕舞いよ、現実問題として、人間ほどやっかいでどうにもならないということは重々承知している。
そこで、技術的な解決策を考えるのであれば、モーター駆動車の低騒音というメリットを捨てない発想こそ必要ではないか。

例えば、車両のモーターの回転に合わせて何らかの電波を発生させる。回転が上がれば電波の強度も増すといった具合だ。これを受信し、何らかの形で歩行者に知らせる。音に変換するもよし、バイブレーターで触覚に訴えるもよし。
視覚障害者であれば、杖の握り手部分に受信機を仕込めば良さそうだし、携帯電話に受信機能を持たせるのも良いかもしれない。
この考えは色々な応用が利くだろう。車両種別に合わせて電波周波数を変えて、判別できるようにするとか、接近方向・速度の検出も可能だろう。HV、EV車に限らず、聴覚障害者の背後から近づく車両の接近を知らせるのにも役立つだろう。

(言うまでもなく、この方式の最大の欠点は、警察に悪用される恐れがあることである)

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