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「B級グルメ」は奇妙な響き

最近気になる言葉の一つが「B級グルメ」である。
この語句の意味は、大体のところ、安くて旨い、身近で、親しみやすい食べ物、といったものらしい。
「グルメ」は、フランス語から来ており、「美食家」とか「食通」を意味し、人を指す言葉である。しかるに「B級グルメ」は、人ではなく、食べ物を指示していることが、まず違和感を覚えさせる。
恐らく、もともとは、「B級グルメ」という言葉は、B級な食べ物専門の食通、という意味だったものと思われる。それが転じて、B級と言えども旨い食べ物、を意味するようになったのだろう。

そもそも食通にとって、食べ物にA級もB級もないはず。映画に通じている人がシネフィルと呼ばれるように、グルメは食べ物に詳しく、「違い」がわかるのであり、何より「食」を趣味としている。高級なレストランや料亭で食事を楽しむばかりがグルメではなく、時には、ほとんど素材そのままのものを口にすることもあるだろうし、一般人にはゲテモノとしか思えないようなものさえ味わって食べることもあるだろう。
それが、庶民には手の出ない高級な料理ばかり食べているから「グルメ」だとか言うのは筋違いも甚だしい。旨いものを旨いといって食べるだけでは趣味でも何でもない。
シネフィルともなれば、出来の悪い映画を見てそこに何か美点を見出したり、一般には評価の低い監督を高く評価したり、人とは違った楽しみを映画から得ることができる。そのように、グルメがグルメたりえるのは、独自の視点(舌点?)で食べ物を吟味し、楽しみを得ることによる。

それがどうだろう! 「B級ご当地グルメ」などと銘打って、全国各地から屋台店を集めてコンクールを行うなどとは! コンクールで高成績を得れば、その食べ物目当てで地方に観光客がどっと押し寄せるので、経済効果満点なのだそうだ。
私には、コンクール会場に出向いて、屋台を食べ歩き、投票する人々も、その食べ物目当てで地方を訪れる観光客も、グルメからは程遠い連中に思える。そして、おこがましくも「グルメ」という言葉を使いつつ、金儲けのことしか頭にない連中に辟易する。

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