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拙訳タンジェリン・ドリーム「タイガー」my poor translation of "Tyger" by Tangerine Dream

まず、自分が、イディオムや例文などをどこから引用しているのか、クレームが入らないように、明確にしておきたい。主に使っているのは、「weblio 英和辞典・和英辞典」、補助として「英辞郎 on the web」、ごくたまに「オンライン版ロングマン現代英英辞典」その他といったところ。
歌詞は主に「GENIUS」から引用しているが、ただし、そのままではなく、曲を聴いた上で、少々手直ししたり、整えたりしている。
今回取り上げるのはタンジェリン・ドリーム、電子音楽のパイオニアでしょうか。詳しい経歴は Wikipedia 等を参照されたい。このグループ名が、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」から取られていることは、英語版Wikipediaの記事にも書いてある。
グループの中心人物だったエドガー・フローゼはすでに亡くなっているが、グループは存続しているというのが面白い。もはや、このグループ名は「屋号」になっているわけだ。オーケストラ並? さて、創業何年続くのか?

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タンジェリン・ドリームのレコードはほとんど買い集めて、時代に追いついて、『ル・パーク』Le Parc(1985)は発売時に新品購入したはず。『タイガー』Tyger(1987)も発売時に輸入盤LPを買った。国内盤も出ていたはずで、ポーランドでのライブ録音の12インチシングル『ワルシャワ・イン・ザ・サン』(1984)や『ル・パーク』が好評だったのに比べると、これは不評で、聞き飽きた電子音楽に女性ヴォーカルを加えているが新味はないといった酷評ばかりだった。が、肝心なことはまったく触れられておらず。このアルバム四曲中の三曲(一曲はインストゥルメンタル)は、ウィリアム・ブレイクの詩("The Tyger", "London", "The Smile")に曲を付けて、朗々と歌い上げたものなのだ。(Wikipediaのこのアルバムの解説参照。このグループのヴォーカル入りアルバムは、『サイクロン』Cyclone(1978)以来のもの)単なる「歌もの」ではない。

//--- 原文と拙訳(旋律に合わせて)まだ多少ぎごちない… 修正の余地あり

"Tyger" by Tangerine Dream (Track 1 on "Tyger", 1987) vocal featuring Jocelyn B. Smith
タンジェリン・ドリーム「虎」(ボーカル:ジョスリン・B・スミス)

Tyger, Tyger, burning bright
In the forests of the night

とらよ、とら、らんらんと
よるのもりにもえ(る)

In what distant deeps or skies
Burnt the fire of thine eyes?
On what wings dare he aspire?
What the hand dare sieze the fire?

どこのうみかそらで
めのほのおもやした
どんなつばさでまいあがる
どんなてでほのおつかむ

Tyger, Tyger, burning bright
In the forests of the night
What immortal hand or eye
Could frame thy fearful symmetry?

とらよ、とら、らんらんと
よるのもりにもえ(る)
どんなふめつのてやめが
おそろしいかたちにした

- - -
And what shoulder, and what art
Could twist the sinews of thy heart?
And when thy heart began to beat
What dread hand? and what dread feet?

どんなかた、どんなわざか
しんぞうのすじあんだ
みゃくうちだす、おそろしい
どんなてが、どんなあしが

What the hammer? what the chain?
In what furnace was thy brain?
What the anvil? what dread grasp
Dare its deadly terrors clasp?

どんなつち、どんなくさり
どんなろで、そのあたまを
どんなだい、どんなこぶしで
こわさ(を)うちつけた

Tyger, Tyger, burning bright
In the forests of the night
What immortal hand or eye
Could frame thy fearful symmetry?
(repeat)

とらよ、とら、らんらんと
よるのもりにもえ(る)
どんなふめつのてやめが
おそろしいかたちにした

- - -
When the stars threw down their spears
And water'd heaven with their tears
Did he smile his work to see?
Did he who made the Lamb make thee?

ほしがやり(を)なげ、そらを
なみだでぬらすとき、その
さくひんをみてえむか
ひつじつくったおかたが

Tyger, Tyger, burning bright
In the forests of the night
What immortal hand or eye
Dare frame thy fearful symmetry
(repeat twice)

とらよ、とら、らんらんと
よるのもりにもえ(る)
どんなふめつのてやめが
おそろしいかたちにした

//--- イディオム、例文、単語等
anvil 鉄床(かなとこ)
ですが、これでは曲に入り切らないので…

//--- 拙訳について
「虎」は、ブレイクの詩集『経験の歌』"Songs of Experience" に含まれる一遍で、非常によく知られているものだと思う。(欧米では学校の教材になっている?)
歌詞サイトの解説(出典不明、エドガー・フローゼが語ったところ)によると、…

I myself had a problem with Jocelyn during the recording. She’d already got through the texts, but during the session she took the book and smashed it on the floor, saying, ‘I’m an R & B singer and I don’t want to do this schoolkid bullshit!’ I still think she did a fairly good job, but she hated the lyrics, which are not easy to understand if you don’t know the background.

Google翻訳による機械翻訳:
私自身、レコーディング中にJocelynに問題がありました。彼女はすでにテキストを読んでいましたが、セッション中に彼女は本を手に取り、床に叩きつけて、「私はR&B歌手であり、この小学生のでたらめをやりたくない!」と言いました。彼女はかなり良い仕事をしたと思いますが、背景がわからないと理解しにくい歌詞が嫌いでした。
といったことがあったとのこと。
ブレイクのこの詩は、「小学生のでたらめ」"schoolkid bullshit"(*1) と見られるわけだ。

(*1) "bullshit" という単語は、揶揄的な意味で、よく使われるもののようだ。「拙訳ピンク・フロイド「マネー」my poor translation of "Money" by Pink Floyd」参照。

この詩は、大筋で言えば、虎の恐ろしい姿を、誰がこんな風に創ったのか、みたいに語って、最後に、子羊を創り給いし創造主がこれを創ったのかと落とす、といったところ。英語は少し古い感じで難しめ。あまり文法や言い回しの勉強にはならないかもしれない。
ドノヴァンの「アトランティス」がいかにも「吟遊」といった感じだったのに対して、この曲はシンセサイザー等を使った電子音で作られているが、違和感は感じられない。さすがに、手慣れているというか、楽器として見事に使いこなしている。曲が良いか悪いか聞かれると評価しにくいのだが、詩の朗読だと思って聴いているので、気にしてない。アルバム全体を通して聴けば、音楽として十分成り立っているのがわかると思う。

原詩は、六節で、最初と最後の節がほぼ同じ、「虎よ、虎よ」で始まるもので、間の四節を挟む構成になっている。タンジェリン・ドリームの曲では、多少構成を入れ替えて膨らませられているが、詩自体は一切変更されていない。
岩波文庫の『イギリス名詩選』(対訳で、原文付き)には、ブレイクの「ロンドン」「虎」他二編が収録されている。これらは『対訳 ブレイク詩集 イギリス詩人選〈4〉』にも入っているが、残念ながらどちらにも "smile" は入っていない。(ただし、後者には、「精神の旅人」"The Mental Traveller" が入っている。SF映画ファン必読?[そんなこと言うやつはいない])

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